結論
米国のラベルでは、内容量(Net Quantity of Contents)を「米慣用単位」と「メートル法」の両方で、主要表示面(PDP)の下から30%以内に、規定の文字サイズ以上で記載する必要があります。根拠は 21 CFR 101.105 および公正包装表示法(FPLA)です。
日本のパッケージにある「100g」という表記だけでは不適合です。「NET WT 3.5 OZ (100 g)」のように併記しなければなりません。
内容量は5つの必須要素の中で最も単純な項目に見えますが、記載位置と文字サイズの要件があるため、デザインを確定した後に不適合が判明して作り直しになることが多い項目でもあります。
1. 単位の併記 ― 米慣用単位 + メートル法
| 製品の性質 | 米慣用単位 | メートル法 | 表記例 |
|---|---|---|---|
| 固形物 | oz(オンス)/ lb(ポンド) | g | NET WT 3.5 OZ (100 g) |
| 液体 | fl oz(液量オンス) | mL | NET 8 FL OZ (237 mL) |
| 1ポンド以上の固形物 | 総オンス + lb/oz 併記 | g | NET WT 24 OZ (1 LB 8 OZ) 680 g |
※ 表記例は書き方のイメージです。実際の数値・表記は製品と包装により異なります。
「Net Wt」「NET WT.」などの略記は認められています。一方、メートル法だけ、または米慣用単位だけの表記は不可です。日本のラベルにシールを貼って対応する場合、元の「100g」表示を活かして「3.5 OZ」だけを追記する、という運用は避けてください。両方がひとまとまりで読める形である必要があります。
数値の丸め方
換算値は、消費者を誤認させない範囲で丸めます。重要なのは「実際の内容量を下回らないこと」と「過大に表示しないこと」です。100g を「4 OZ」と切り上げて表示すると、実際より多く見せる表示になり、問題になり得ます(100g ≒ 3.53 oz)。
切り捨て方向で処理するのが安全です。実務では、換算表を作って社内で統一しておくことをおすすめします。
2. 記載位置 ― PDPの下から30%以内
内容量は主要表示面(PDP)に記載します。裏面の情報パネルに書くことはできません。
- PDPの下から30%以内の領域に配置する
- 原則として、パッケージが通常置かれる状態の底面と平行に配置する
- 他の表示から十分な余白で分離する(目安として、文字の高さと同等以上の空白)
日本のパッケージは、内容量を裏面や上部に小さく置くデザインが一般的です。米国向けでは表面の下部30%に、他の要素と干渉しない形で置き直す必要があるため、デザインの再調整が発生します。ラベル制作を「英文を差し替えるだけ」と見積もっていると、ここで工程が増えます。
PDPの面積の求め方
| 包装形状 | PDP面積の算出 |
|---|---|
| 直方体(箱) | 正面の縦 × 横 |
| 円筒形(缶・瓶) | 高さ × 円周 × 40% |
| その他の形状 | ラベルを貼付できる面の40%として算出 |
3. 文字サイズ ― PDP面積で決まる
内容量表示の最小文字高さは、PDPの面積によって変わります。
| PDP面積 | 最小文字高さ(目安) |
|---|---|
| 5平方インチ以下 | 1/16 インチ以上 |
| 5超 〜 25平方インチ以下 | 1/8 インチ以上 |
| 25超 〜 100平方インチ以下 | 3/16 インチ以上 |
| 100超 〜 400平方インチ以下 | 1/4 インチ以上 |
| 400平方インチ超 | 1/2 インチ以上 |
※ 21 CFR 101.105 に基づく目安です。大文字・小文字の扱いや、文字の縦横比についても規定があるため、最終判断は条文をご確認ください。
文字高さは大文字の高さで判定するのが基本です。小文字のみで構成される場合は「o」の高さで判定します。また、文字が過度に縦長・横長に変形されている場合は不適合となり得ます。デザインソフトで水平方向に圧縮して収める、という処理は避けてください。
4. 重量か、容量か
| 製品 | 表示方法 |
|---|---|
| 菓子・米・粉類・乾物 | 重量(NET WT) |
| 飲料・液体調味料・油 | 容量(fl oz / mL) |
| 味噌・ペースト・ジャム | 粘性があるため重量が一般的 |
| 汁物・シロップ漬け等 | 製品の性質により判断が分かれます。個別確認が必要 |
日本では「内容量」と「固形量・内容総量」を使い分けますが、米国向けではどの数値を Net Quantity として示すかを決める必要があります。漬物や水煮など、液体を含む製品では判断が分かれるため、輸入者とも認識を合わせておいてください。
5. よくある不備 ― 5パターン
- g表記だけで、米慣用単位が併記されていない(最多)
- 内容量が裏面や上部に置かれている(PDP下部30%の要件を満たしていない)
- 文字が小さすぎる ― 特に25平方インチを超える箱で1/8インチのまま
- 換算値を切り上げて、実際より多く見せている
- シール貼付により、元の日本語表記と新しい英語表記が両方見えている
⑤は見落とされがちです。元の表示が透けて見える、あるいはシールの脇からはみ出して読める状態だと、内容量が二重に表示されていることになり、指摘の対象になり得ます。シール対応の場合は、被覆の完全性まで確認してください。
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よくある質問
Q. グラム表記だけではいけませんか?
いけません。米慣用単位(oz / lb / fl oz)とメートル法(g / mL)の両方の併記が必要です。
Q. どこに書きますか?
主要表示面(PDP)の下から30%以内の領域に、原則として底面と平行に記載します。裏面の情報パネルには書けません。
Q. 重量と容量はどちらですか?
固形物は重量、液体は容量が原則です。半固形・粘性のあるものは重量が一般的ですが、個別確認が必要です。
Q. 1ポンドを超える場合は?
総オンス数を示したうえで、ポンドとオンスに分けた表記を併記します(例:NET WT 24 OZ (1 LB 8 OZ) 680 g)。
Q. 文字サイズの決まりはありますか?
あります。PDP面積に応じて1/16〜1/2インチの最小高さが定められています。過度に変形した文字も不適合となり得ます。
出典・一次情報
本記事は以下のFDA公式情報および米国連邦規則に基づいて作成しています。規制内容は改正される場合があるため、実務判断の際は必ず最新の一次情報をご確認ください。
- FDA「Food Labeling Guide」― fda.gov
- 21 CFR 101.105(内容量表示)/21 CFR 101.1(主要表示面の定義)
- 公正包装表示法(Fair Packaging and Labeling Act)
最終更新: 2026年8月23日
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別案件の法的助言ではありません。規制は改正される場合があります。